アンビション・フォトニクス(株)


The 77th Tokyo-Tech Startup
第77号 東工大発ベンチャー
[Certificate]

 

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私たちは東京工業大学でのフォトニクスに関する研究成果を世に送り出すためにアンビション・フォトニクス株式会社を起ち上げました.弊社のメンバーは半導体素子や集積システムの設計・製造・評価において,専門的な知識・技能を有しており,あらゆる製品への革新的となる技術の提供を目指しています.高い専門性を活かして,技術コンサル・委託研究・自社製品売買等の事業を展開しています.

キーワード: 面発光レーザ, 非機械式 LiDAR, Structured Light, 超高速/波長可変面発光レーザ

ー お知らせ ー

2020年10月28日  弊社は研究分担者としてJST A-STEP(本格型)に採択された [リンク]
2019年 10月 1日  東工大横浜ベンチャープラザに本店を移転しました [アクセス]
2019年 7月 27日  技術および応用紹介が更新されました
2019年 7月   3日  弊社は第一次資金調達を実施しました
2016年 7月 13日  弊社は東工大発ベンチャーに認定されました [授与式] [証書]
2015年10月15日  アンビション・フォトニクス株式会社が設立されました

弊社の専門分野


VCSELs (面発光レーザー)

面発光レーザー(VCSEL)は1977年に東京工業大学の伊賀健一名誉教授が発明しました.1988年の初めには小山二三夫教授により初めて室温連続発振が達成されました.面発光レーザーは,微小サイズ・低消費電力・二次元集積,そして特に製造コストが低いという特長があります.面発光レーザは現在では世界で最も出荷されているレーザーですが,まだまだ研究が続けられています.弊社ではより高い性能を持つ面発光レーザとそれを用いた機器に焦点を当てています.

[1] K. Iga, “Surface-emitting laser-its birth and generation of new optoelectronics field. Selected Topics in Quantum Electronics,” IEEE Journal, 6(6), pp. 1201–1215 (2000)
[2] F. Koyama, S. Kinoshita, and K. Iga, “Room temperature cw operation of GaAs vertical cavity surface emitting laser,” Trans. IEICE, vol. E71, No. 11, pp. 1089-1090 (1988)


Slow-light (スローライト)

スローライトは光を制御するにあたって非常に優れた現象です.特に私たちは面発光レーザーと同じ層構造を持つブラッグ反射鏡導波路でのスローライトの伝搬に焦点を置いています.2011年に私たちは,スローライト導波路が高い分散を持ち,優れたビーム掃引特性が得られることを発見し,非機械式のビーム偏向器として世界最高となる解像度と1000点以上の解像点数を実証しました.スローライト導波路を用い,私たちはこれまで様々な革新的となるデバイスの提案を行ってきました.200チャネルの波長分波器や182ポートの波長選択スイッチ,一万点を超える解像度の二次元ビーム偏向器などがその一例です.アンビションフォトニクス株式会社の起業は,これらの研究室レベルであったデバイスの市販化を目的としています.

[1] Beam deflection device (Japanese Patent No. 5662266)
[2] X. Gu, T. Shimada, and F. Koyama, Optics Express, vol. 19, no. 23, 22675~22683, (2011).
[3] X. Gu, T. Shimada, A. Matsutani, and F. Koyama. IEEE Photon. J, vol. 4, no. 5, 1712-1719 (2012).
[4] 第27回独創性を拓く先端技術大賞文部科学大臣賞「スローライトブラッグ反射鏡導波路を用いたビーム掃引デバイス~世界最高解像度を誇る革新的な非機械式光ビーム掃引技術の開拓~」


Amplification (光増幅)

スローライト導波路では小さな素子であっても大きな光利得を得ることができます.本グループでは長さ500μm程度のデバイスで30dB以上の増幅を得ることに成功しました.この増幅器では集積したレーザ光源からの信号の増幅が可能です.さらにビーム偏向やMEMS,LIDAR,高出力波長可変面発光レーザ等の様々な機能を集積させ,これまでにない革新的な機能デバイスの実現が可能です.

[1] M. Nakahama, X. Gu, F. Koyama., to be published.
[2] Two patents under examinations


Coupled-cavity (結合共振器)

面発光レーザーとスローライト導波路は同じ層構造を持っているため,横方向に複数のデバイスをつなげることが可能です.この横方向集積を用いることにより様々な現象が見つかっています.特に私たちは直接変調または外部変調を用いたトランスミッターのバンド幅の拡大に注目しています.実験的には30GHzを超える周波数応答が得られていますが,さらなる向上とシステムへの導入を目指しています.

[1] X. Gu et al., “850nm transverse-coupled-cavity vertical-cavity surface-emitting laser with direct modulation bandwidth of over 30GHz,” Appl. Phys. Express 8, 82702 (2015)
[2] X. Gu, A. Suzuki, A. Matsutani, Fumio Koyama, “20 μm-long Slow-light Bragg Reflector Waveguide Modulator with over 20GHz Modulation Bandwidth,” Appl. Phys. Express 7, 114101 (2014)




MEMS (微小電気機械システム)

Micro-electro-mechanical-system (MEMS)は様々な用途への応用が期待される技術です.MEMSはµmオーダー,さらにはnmオーダーで形状を制御でき,MEMSを集積した面発光レーザでは数十nmの帯域で波長を変化させることが可能です.この波長可変面発光レーザは光通信だけでなく生体医療画像やガスセンシングなど様々な製品への応用が期待されます.また,バイモルフミラーを用いることで温調フリーとすることも可能であり,特に短距離通信システムや大規模データセンターではモジュールコストを劇的に下げることが出来ます.さらにMEMSと増幅器をチップ上に集積できれば高出力波長可変レーザ光源へのブレイクスルーとなるでしょう.

[1] M. Nakahama, T. Sakaguchi, A. Matsutani, F. Koyama, “Athermal and widely tunable VCSEL with bimorph micromachined mirror,” Optics Express, 22, pp. 21471-21479 (2014)




WSS (波長選択スイッチ)

インターネットの急速な普及を通して,音声から,画像,動画と情報量が急速に拡大している.この大容量光通信ネットワークの効率的かつ柔軟な運用のために,ROADM (Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer) が注目されている.高機能のROADMを設計する中に,波長選択スイッチ(WSS)は不可欠なキーデバイスである.本研究では,次世代光ネットワークにも適用できる大規模WSSの提案および実証を行う.巨大な角度波長分散を持つブラッグ反射鏡導波路アレーの導入するにより,出力ポートの大規模化・高密度化が可能となり,従来の技術で実現困難であった100ポートを越える大規模化を実現した.全体のモジュールサイズも従来デバイスより数倍小さくするに成功した.今後構造の最適化および特性改善により,スケーラビリティの優れた大規模ポート数・波長数に対応する超小型光合分波器・波長選択スイッチへの展開が期待できる.

[1] X. Gu, K. Suzuki, Y. Ikuma, K. Seno, H. Tanobe, A. Matsutani, F. Koyama, “Compact Wavelength Selective Switch Using a Bragg Reflector Waveguide Array with Ultra-Large Number (over 100) of Output-Ports,” Journal of Lightwave Technology, vol. 33, no. 7, pp. 1358-1364 (2015)



今後も不定期に更新していきます!

公的研究費の管理体制

当社は、文部科学省が制定した「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」および「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に基づき、国や独立行政法人から配分される公的研究費に関わる研究について、以下の体制において適正に運用・管理しております。

最高管理責任者:代表取締役社長
統括管理責任者:最高技術責任者
コンプライアンス推進責任者:国プロ担当

・研究活動における不正使用/不正行為に関する通報窓口
〒226-8510 神奈川県横浜市緑区長津田町4259-3
東工大横浜ベンチャープラザE208
アンビション・フォトニクス株式会社 国プロ担当宛

IR情報公開

2019年9月期決算公告 [ダウンロード]

発起人

アンビション・フォトニクス株式会社は以下の4人により設立:

小山二三夫  東京工業大学教授,工学博士
顧 暁冬   代表取締役社長,東京工業大学特任准教授,工学博士
中濵 正統  CTO,工学博士
井上 俊也  工学博士

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